专利摘要:
本発明は固体酸化物型燃料電池システムによる発電方法に関する。液体炭化水素原料を第1の反応ゾーンで分解し、気体原料として第2の反応ゾーンに供給する。原料を第2の反応ゾーンで水蒸気改質し、水素を含有する改質生成物ガスを得る。改質生成物ガスから水素を分離し、燃料として固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する。燃料中の水素を酸化することにより燃料電池で発電する。水素と水蒸気を含有するアノード排気流を第1の反応ゾーンに戻し、第1及び第2の反応ゾーンにおける吸熱反応を推進するための熱を提供し、未使用の水素を燃料電池に再循環させる。
公开号:JP2011507214A
申请号:JP2010539668
申请日:2008-12-15
公开日:2011-03-03
发明作者:エリック・エドウィン・エングウォール;ジンギユ・キュイ;スコット・リー・ウェーリントン;マヘンドラ・ラドハラム・ジョシ
申请人:シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイShell Internationale Research Maatschappij Besloten Vennootshap;
IPC主号:H01M8-06
专利说明:

[0001] 本発明は電力発生用燃料電池システムと、電力発生方法に関する。特に、本発明は電力発生用固体酸化物型燃料電池システムと、このようなシステムによる電力発生方法に関する。]
背景技術

[0002] 固体酸化物型燃料電池は電気化学反応から電力を直接発生する固体素子から構成される燃料電池である。このような燃料電池は高品質で確実な電力を供給し、クリーンに動作し、比較的小型な発電機であるため、都市部での使用に魅力的であるという点で有用である。]
[0003] 固体酸化物型燃料電池はアノードと、カソードと、アノードとカソードの間に挟まれた固体電解質から形成される。酸化性燃料ガス、又は燃料電池中で酸化性燃料ガスに改質することが可能なガスをアノードに供給し、酸素含有ガス、一般には空気をカソードに供給し、化学反応体を提供する。アノードに供給される酸化性燃料ガスは一般に合成ガスであり、水素と一酸化炭素の混合物である。燃料電池は高温、一般に800℃〜1100℃で運転され、酸素含有ガス中の酸素をイオン酸素に変換し、電解質を通過させ、アノードで燃料ガスからの水素及び/又は一酸化炭素と相互作用させる。カソードにおける酸素からがイオン酸素への変換と、アノードにおけるイオン酸素と水素及び/又は一酸化炭素の化学反応により電力を発生する。以下の反応式は電池における電力発生化学反応を示す。
カソード電荷移動:O2+4e− → 2O−
アノード電荷移動:H2+O− → H2O+2e− 及び
CO+O− → CO2+2e−
アノードとカソードの間に電流が流れるようにアノードとカソードの間に電気負荷又は蓄電装置を接続すると、電気負荷に給電又は蓄電装置に電力を提供することができる。]
[0004] 燃料ガスは一般に低分子量炭化水素と水蒸気を水素と炭素酸化物に改質する水蒸気改質反応器により燃料電池のアノードに供給される。例えば天然ガス中のメタンは燃料電池用の燃料ガスを生成するために使用される好ましい低分子量炭化水素である。あるいは、燃料電池のアノードに供給されるメタン等の低分子量炭化水素と水蒸気に内部で水蒸気改質反応を実施するように燃料電池アノードを設計してもよい。]
[0005] 場合により、水蒸気改質反応器で使用されるメタン原料及び/又は他の低分子量炭化水素原料はガソリン、ディーゼル、又はケロセン等の液体燃料から生成することができる。液体燃料は予備改質反応器で水蒸気改質反応器用原料に変換することができる。液体燃料は燃料と水蒸気を混合し、燃料と水蒸気を550℃以上、多くの場合には700℃以上の温度で反応させることにより水蒸気改質反応器用原料に変換することができる。]
[0006] メタン水蒸気改質は以下の反応式:CH4+H2O ⇔ CO+3H2に従って水素と一酸化炭素を含有する燃料ガスを生じる。水素と一酸化炭素を形成するための反応は極めて吸熱性であるため、水蒸気改質反応を実施するには熱を供給する必要がある。実質的な量のメタン又は他の炭化水素と水蒸気を水素と一酸化炭素に変換するためには一般に750℃〜1100℃の温度で反応を実施する。]
[0007] 1)水蒸気改質反応器におけるメタン水蒸気改質反応を誘導するため、及び必要に応じて、2)液体燃料を水蒸気改質反応器用原料に変換するための熱は従来では酸素含有ガスを燃料、一般には天然ガス等の炭化水素と共に燃焼させて必要な熱を提供するバーナーにより提供されている。水蒸気改質反応を推進するための熱を提供するために無炎燃焼も利用されており、無炎燃焼も有炎燃焼を誘導しないような相対量の炭化水素燃料と酸素含有ガスを無炎燃焼器に供給することにより推進される。燃焼により提供される熱エネルギーの有意量が回収されずに失われるため、水蒸気改質反応及び/又は予備改質反応を推進するために必要な熱を提供するためのこれらの方法は比較的エネルギー効率が悪い。]
[0008] 米国特許出願公開第2005/0164051号は改質反応器と予備改質反応器を燃料電池と熱統合することができるシステムと方法を開示している。燃料電池により生成された熱を使用し、改質反応器の吸熱反応を推進するための熱を提供する。改質反応器を燃料電池と同一の熱ボックスに配置するか、及び/又は燃料電池と改質器を相互に熱接触させることにより改質反応器を燃料電池と熱統合する。改質器を燃料電池と近接配置することにより燃料電池と改質器を相互に熱接触させることができ、燃料電池からのカソード排気が改質器の伝導性熱移動を生じるように(例えば改質器の周囲をカソード排気管で包囲するか、又はカソード排気管の壁を含む改質器の1個以上の壁を介することにより)燃料電池のカソード排気管を改質器と直接接触させることができる。燃焼器から改質器に熱を補充し、燃料電池と改質器の熱接触により、改質反応を実施するための改質器の燃焼熱要求を減らす。]
[0009] 予備改質反応器用の熱は、予備改質反応器を触媒始動バーナーと共に熱ボックスに配置し、燃料電池からのアノード排気流との熱交換により加熱された天然ガス原料を提供することにより提供される。しかし、予備改質反応器用原料として天然ガスを使用しないので、予備改質反応器は液体原料を水蒸気改質反応器用の低分子量原料に変換するために使用されない。]
[0010] この方法は燃焼により提供される熱エネルギーを回収するより効率的であるが、1)燃料電池からの排気の熱は改質反応を推進するために必要な温度又はその付近の温度(750℃〜1100℃)であり、ほぼ完全な熱交換が行われない限り、燃料電池からの熱は燃焼器等の別の熱源から熱を加えずに改質反応を推進するには不十分になるので、燃料電池からの熱は改質反応を完全に推進するには不十分であり;2)燃料電池の排気からの熱の有意量が対流により改質反応器に出入するため、この方法はまだ比較的熱効率が低い。予備改質反応器は更に液体炭化水素原料を水蒸気改質反応器用の低分子量原料に変換せず、この変換を行うために十分な熱は燃料電池から提供されないと思われる。]
[0011] 更に、固体酸化物型燃料電池を予備改質反応器及び改質反応器と併用して運転する場合には、一般に電気化学的効率が低く、高電力密度を発生しない。固体酸化物型燃料電池は一般に「水素希薄」モードで商業的に運転され、例えば水蒸気改質による燃料ガス生成条件は燃料電池から燃料電池排気中に排出される水素量を制限するように選択される。これは燃料ガス中の水素の電気エネルギーポテンシャルを電気エネルギーに変換されずに電池から排出される水素により失われるポテンシャル(電気化学+熱)エネルギーと平衡させるように実施される。]
[0012] しかし、一酸化炭素や二酸化炭素等の水素以外の化合物を含有する燃料ガスはより純粋な水素燃料ガス流よりも固体酸化物型燃料電池で電力を発生する効率が低い。これは他の化合物に対する分子状水素の電気化学的酸化ポテンシャルによる。例えば、分子状水素は0.7ボルトで1.3W/cm2の電力密度を発生することができるが、一酸化炭素は0.7ボルトで0.5W/cm2の電力密度しか発生することができない。従って、有意量の水素以外の化合物を含有する燃料ガス流は固体酸化物型燃料電池での電力発生において主に水素を含有する燃料ガスほど効率的ではない。]
[0013] 燃料電池から排出される過剰の水素のエネルギーを取り戻すために所定の対策が講じられているが、これらは水素を燃料電池で電気化学的に反応させた場合よりもエネルギー効率が著しく低い。例えば、燃料ガスを燃料電池で電気化学的に反応させることにより生成されるアノード排気を燃焼させてタービンエキスパンダを駆動し、発電している。しかし、エキスパンダにより電気エネルギーに変換されるよりも多量の熱エネルギーが失われるので、これは燃料電池で水素の電気化学ポテンシャルを獲得するよりも著しく効率が低い。燃料電池から排出される燃料ガスを燃焼させ、上記のような改質反応器の駆動を含めた各種熱交換用途の熱エネルギーも提供されている。しかし、燃焼により提供される熱エネルギーのほぼ50%は回収されない。水素はバーナーを着火させるために使用する非常に高価なガスであるため、従来では、電力を発生させるために燃料電池に提供される水素の大部分を利用し、燃料電池から燃料電池排気中に排出される水素量を最小限にするように、固体酸化物型燃料電池で使用される水素量を調節している。]
[0014] 米国特許出願公開第2007/0017369号(’369公開)は燃料電池の燃料入口に原料を提供する燃料電池システムの運転方法を記載している。原料は外部水蒸気改質器から提供される水素と一酸化炭素の混合物でもよいし、あるいは燃料電池スタックの内部で水素と一酸化炭素に改質される炭化水素原料でもよい。燃料電池スタックは電力と、水素と一酸化炭素を含有する燃料排気流を生成するように運転され、燃料排気流中の水素と一酸化炭素は燃料排気流から分離され、原料の一部として燃料入口に戻される。従って、燃料電池の燃料ガスは炭化水素燃料源と、燃料排気システムから分離された水素と一酸化炭素を改質することにより誘導される水素と一酸化炭素の混合物である。燃料排気からの水素の少なくとも一部を燃料電池に再循環させることにより、高い運転効率を達成することができる。システムは更にスタックを1回通過時に燃料の約75%を利用することにより燃料電池における高い燃料利用率を提供する。]
[0015] 米国特許出願公開第2005/0164051号は燃料電池の燃料入口に燃料を提供する燃料電池システムの運転方法を記載している。燃料は炭化水素燃料(例えばメタン、水素及び他のガスと共にメタンを含有する天然ガス、プロパン、合成ガス、改質器からの水素燃料と混合した未改質炭化水素燃料)、又は一酸化炭素、二酸化炭素、酸素化炭素含有ガス(例えばメタノール)等の炭化水素以外の炭素含有ガスもしくは他の炭素含有ガスと水素含有ガス(例えば水蒸気や合成ガス)の混合物とすることができる。燃料電池スタックは電力と、水素を含有する燃料排気流を生成するように運転される。利用されなかった水素を燃料電池の燃料側排気流から分離するために水素分離器を利用する。水素分離器により分離された水素は燃料電池に再循環させてもよいし、他の水素需要用途用サブシステムに送ってもよい。燃料電池に再循環される水素量は電力需要又は水素需要に従って選択することができ、電力需要が高いほど多量の水素が燃料電池に再循環される。燃料電池スタックは電力需要に応じて0〜100%の燃料利用率で運転することができる。電力需要が高い場合には、発電量を増加するように高い燃料利用率で燃料電池を運転し、好ましい利用率は50〜80%である。]
発明が解決しようとする課題

[0016] その電力密度と総エネルギー効率を増加するように固体酸化物型燃料電池システムの熱効率と電気効率を更に改善するシステムと方法が望ましい。]
課題を解決するための手段

[0017] 本発明は、
第1の反応ゾーンで水蒸気と原料前駆体と固体酸化物型燃料電池からのアノード排気流の混合物を少なくとも600℃の温度で第1の触媒と接触させ、1種以上のガス状炭化水素と水蒸気を含有する原料を生成する段階(なお、原料前駆体は大気圧下に20℃で液体であり、大気圧下に400℃までの温度で気化可能である気化性炭化水素を含有しており、アノード排気流は水素と水蒸気を含有しており、少なくとも800℃の温度である)と;
第2の反応ゾーンで原料と場合により付加水蒸気を少なくとも400℃の温度で第2の触媒と接触させ、水素と少なくとも1種の炭素酸化物を含有する改質生成物ガスを生成する段階と;
少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有する水素ガス流を改質生成物ガスから分離する段階と;
水素ガス流を固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;
固体酸化物型燃料電池のアノードの1個以上のアノード電極で水素ガス流を酸化剤と混合し、少なくとも0.4W/cm2の電力密度で発電する段階と;
水素と水分を含有するアノード排気流を固体酸化物型燃料電池のアノードから分離する段階
を含む発電方法に関する。]
図面の簡単な説明

[0018] 本発明の方法を実施するための本発明のシステムとして、予備改質反応器と、水素分離装置を内蔵した改質反応器と、固体酸化物型燃料電池を含むシステムの模式図である。]
[0019] 本発明の方法を実施するための本発明のシステムとして、予備改質反応器と、改質反応器と、改質反応器に作動的に接続された水素分離装置と、固体酸化物型燃料電池を含むシステムの模式図である。]
[0020] 予備改質反応器と、水素分離装置を内蔵した改質反応器と、固体酸化物型燃料電池を含む本発明の基本システムの模式図である。]
[0021] 予備改質反応器と、改質反応器と、改質反応器に作動的に接続された水素分離装置と、固体酸化物型燃料電池を含む本発明の基本システムの模式図である。]
実施例

[0022] 本発明は固体酸化物型燃料電池を利用するシステムにおいて液体炭化水素燃料から高電力密度で発電するための高度に効率的な方法を提供する。第1に、本発明の方法は従来技術に開示されている方法よりも熱エネルギー効率が高い。燃料電池排気からの熱エネルギーを直接予備改質反応器に送り、その後、この熱エネルギーの一部を予備改質反応器から改質反応器に送る。場合により、燃料電池から改質反応器に直接熱エネルギーを送ることもできる。燃料電池のアノード排気から予備改質反応器への熱エネルギーの直接移動は燃料電池からの高温アノード排気流を予備改質反応器内で原料前駆体と水蒸気に直接分子状で混合し、改質反応器に供給される原料を生成することにより行われるので非常に効率的である。予備改質反応器から改質反応器への熱エネルギーの移動も熱エネルギーが予備改質反応器から改質反応器に供給される原料に含まれるので非常に効率的である。場合により行われる燃料電池カソード排気による燃料電池から改質反応器への熱エネルギーの移動も改質反応器内で直接熱移動を行うことができるので熱効率が高い。]
[0023] 本発明の方法は更に、改質反応器が典型的な水蒸気改質法よりも低温で水素生成を実施することができるので、従来技術に開示されている方法よりも熱効率が高い。本発明の方法では、改質反応が改質反応器で生じるにつれて水素を改質生成物ガスから分離することができるので、水素の生成に向かう平衡を助長し、水素生成を実施するために必要な温度が低下する。更に、従来の改質反応温度では助長されないが、改質反応器温度が低いと水性ガスシフト反応H2O+CO ⇔ CO2+H2の平衡は水素生成を助長するため、より低温の改質反応器温度でより多量の水素を生成することができる。改質反応器は典型的な改質反応器よりも著しく低温で水素を生成するように設計されるので、予備改質反応器から供給される原料からの熱、又は原料からの熱と燃料電池カソード排気からの熱の和は外部熱源なしにより低温の改質反応を推進するために十分である。]
[0024] 本発明の方法は更に水素リッチな燃料を利用することにより従来技術に開示されている方法よりも高い電力密度を固体酸化物型燃料電池システムで生成することができる。これは水素と水蒸気を含有するアノード排気流を予備改質反応器と改質反応器に再循環させることにより達成される。燃料電池で発電するために利用されない水素は連続的に予備改質反応器に再循環され、最終的に燃料電池に戻る。この結果、電気エネルギーに変換されずに電池から排出される水素によるポテンシャルエネルギー損失に付随する問題を解消することにより、燃料の最低加熱値に対して高電力密度の発生が可能になる。]
[0025] 本発明の方法の1態様では、電気化学反応に利用可能なアノード電極における水素濃度をアノード経路長全体にわたって高レベルに維持するようにアノードの経路長全体にわたって固体酸化物型燃料電池のアノードに水素を多量に供給することにより、燃料電池の電力密度を最大にする。水素は固体酸化物型燃料電池システムで一般に使用されている他の酸化性化合物(例えば一酸化炭素)よりも電気化学ポテンシャルが有意に高いため、本方法では主に水素からなり、好ましくはほぼ全体が水素からなる水素リッチな燃料を使用し、燃料電池システムの電力密度を最大にする。]
[0026] 1態様において、本発明の方法は更に固体酸化物型燃料電池における燃料の1パス当たり燃料利用率を最大ではなく最少にすることにより、燃料電池システムの電力密度を最大にする。アノード経路長全体にわたって高い水素濃度を維持するように燃料電池のアノード経路長全体にわたって酸化生成物、特に水分の濃度を低下させるように1パス当たり燃料利用率を最少にする。アノード電極には燃料電池のアノード経路長全体にわたって電気化学反応のために過剰の水素が存在するので、燃料電池により高電力密度が提供される。高い1パス当たり燃料利用率(例えば50%を上回る燃料利用率)の達成を目的とする方法では、最低でも酸化生成物の濃度は燃料排気中の水素濃度と同等であり、燃料電池中の酸化生成物がこのような濃度では、燃料電池により提供される電力は低下する。アノード電極には燃料電池のアノード経路長全体にわたって電気化学反応のために過剰の水素が存在するので、燃料電池により高電力密度が提供される。高い1パス当たり燃料利用率(例えば60%を上回る燃料利用率)の達成を目的とする方法では、燃料が燃料電池の中間点を通過する前でも酸化生成物の濃度は燃料流の30%を上回る場合があり、燃料電池に提供される燃料がアノードを進行する間にアノード経路に提供される電力が有意に減少するように、燃料電池排気中の水素濃度の数倍にする場合もある。]
[0027] 別の側面において、本発明は高度に効率的に高電力密度で発電するためのシステムに関する。]
[0028] 本明細書で使用する「水素」なる用語は特に指定しない限り、分子状水素を意味する。]
[0029] 本明細書で使用する「単位時間当たりに燃料電池で形成される水分量」は以下のように計算される:測定単位時間当たりに燃料電池で形成される水分量=[測定単位時間当たりに燃料電池から燃料電池のアノード排気中に排出される水分量の測定値]−[測定単位時間当たりに燃料電池のアノードに供給される燃料中に存在する水分量]。例えば、燃料電池のアノードに供給される燃料中の水分量と燃料電池からアノード排気中に排出される水分量の測定に2分間かかり、アノードに供給される燃料中の水分量の測定値が6モルであり、燃料電池からアノード排気中に排出される水分量の測定値が24モルであるならば、本明細書で計算した燃料電池で形成される水分量は、(24モル/2分)−(6モル/2分)=12モル/分−3モル/分=9モル/分である。]
[0030] 本明細書で2個以上の要素について「作動的に接続」又は「作動的に連結」と言う場合には、要素が要素間に直接又は間接的な流体流動を可能となるように直接又は間接的に接続されているという意味である。本明細書で使用する「流体流動」なる用語は気体又は流体の流動を意味する。2個以上の要素について「選択的に作動的に接続」又は「選択的に作動的に連結」と言う場合には、要素が要素間に選択された気体又は流体の直接又は間接的な流動を可能とするように直接又は間接的に接続されているという意味である。「作動的に接続」又は「作動的に連結」の定義で使用する「間接的な流体流動」なる用語は、流体又は気体が定義下の2個の要素間を流動する間に流体又は気体の1種以上の側面を変化させるように、定義下の2個の要素間の流体又は気体の流動を1個以上の別の要素により誘導できることを意味する。間接的な流体流動で変化させることができる流体又は気体の側面としては、気体もしくは流体の温度や圧力等の物理的特性、及び/又は気体もしくは流体の組成が挙げられ、例えば水蒸気を含有するガス流から水分を凝縮させることにより、例えば気体又は流体の成分を分離することにより変化させることができる。本明細書に定義する「間接的な流体流動」は、化学反応(例えば流体又は気体の1種以上の成分の酸化又は還元)により定義下の2個の要素間の気体又は流体の組成を変化させることを除外する。]
[0031] 本明細書で使用する「選択的に水素透過性」なる用語は分子状水素又は元素状水素に対して透過性であり、水素以外の成分又は化合物の最大で10%、又は最大で5%、又は最大で1%が分子状又は元素状水素に対して透過性の物質を透過する程度まで他の成分又は化合物に対して不透過性であるとして定義される。]
[0032] 本明細書で使用する「高温水素分離装置」なる用語は少なくとも250℃の温度、一般には300℃〜650℃の温度で分子状又は元素状の水素をガス流から分離するために有効な器具又は装置として定義される。]
[0033] 固体酸化物型燃料電池の燃料中の水素の利用に関して本明細書で使用する「1パス当たり水素利用率」とは、固体酸化物型燃料電池を1回通過する間に燃料電池に投入される燃料中の合計水素量に対して発電するために利用される燃料中の水素量として定義される。1パス当たり水素利用率は、燃料電池のアノードに供給される燃料中の水素量を測定し、燃料電池のアノード排気中の水素量を測定し、燃料電池に供給される燃料中の水素量の測定値から燃料電池のアノード排気中の水素量の測定値を差し引き、燃料電池で使用される水素量を求め、燃料電池で使用される水素量の計算値を燃料電池に供給される燃料中の水素量の測定値で割ることにより計算することができる。1パス当たり水素利用率は1パス当たり水素利用率の計算値に100を掛けることにより百分率として表すことができる。]
[0034] 本明細書で使用する「改質反応器」なる用語は炭化水素改質反応と、場合により水性ガスシフト反応等の他の反応を実施することができる反応器を意味する。本明細書で使用する改質反応器で生じる反応としては主に炭化水素改質反応が挙げられるが、主に炭化水素改質反応でなくてもよい。例えば、「改質反応器」で生じる反応の大半が実際には炭化水素改質反応ではなくシフト反応の場合もある。]
[0035] 本明細書で使用する「予備改質反応器」なる用語は分解反応と、場合により改質反応等の他の反応と、場合により気化等の物質の物理的変換を実施することができる反応器を意味する。予備改質反応器で実施することができる分解反応は炭化水素分子をより単純な分子に分解する。予備改質反応器において分解は炭化水素化合物の分子鎖長の短縮及び/又は炭化水素化合物の分子量の低下を伴う。例えば、予備改質反応器で実施することができる分解反応は炭素原子数が少なくとも4の炭化水素化合物の分子鎖長を炭素原子数が最大で3の炭化水素化合物に短縮することができる。予備改質反応器で実施することができる分解反応は熱分解反応でも水素化分解反応でもよい。]
[0036] 以下、図1を参照すると、本発明の方法は予備改質反応器と、水素分離改質反応器と、固体酸化物型燃料電池を含む熱統合システム100を利用して電力を発生する。前記方法液体炭化水素原料前駆体を使用し、好ましくは第1の反応器101(本明細書では予備改質反応器と言う)である第1の反応ゾーンで分解し、1態様では部分改質してガス状炭化水素原料とした後に、好ましくは第2の反応器103(本明細書では改質反応器と言う)である第2のゾーンで改質し、改質生成物ガスを生成し、改質反応器103で水素分離装置107により水素を分離することができる。固体酸化物型燃料電池105で発電するためには水素を利用することができる。前記方法を熱統合し、予備改質反応器101における吸熱性分解反応と改質反応器103における吸熱性改質反応を推進するための熱を発熱性の固体酸化物型燃料電池105から提供する。] 図1
[0037] 前記方法では、水素源となる液体炭化水素を含有する原料前駆体を配管109から予備改質反応器101に供給することができる。原料前駆体は大気圧下に20℃で液体(場合により酸化形態)であり、大気圧下に400℃までの温度で気化可能な任意気化性炭化水素の1種以上を含有することができる。このような原料前駆体としては、限定されないが、50〜205℃の沸点をもつナフサ、ディーゼル及びケロセン等の低級石油留分が挙げられる。このような原料前駆体は更に酸化炭化水素を含有することができ、限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びブタノールが挙げられる。原料前駆体は場合によりメタン、エタン、プロパン、又は20℃(大気圧)でガス状である炭素原子数1〜4の他の化合物等の20℃でガス状の所定の炭化水素を含有することができる。1態様において、原料前駆体は炭素原子数が少なくとも5、又は少なくとも6、又は少なくとも7の炭化水素を少なくとも0.5、又は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8モル分率で含有することができる。1態様において、原料前駆体はデカンとすることができる。好ましい1態様において、原料前駆体はディーゼル燃焼とすることができる。]
[0038] 1態様では、原料前駆体を少なくとも150℃、好ましくは200℃〜500℃の温度で予備改質反応器101に供給し、原料前駆体を下記のように熱交換器で所望温度まで加熱することができる。原料前駆体を予備改質反応器に供給する温度は原料前駆体を分解してコークスを生成することなしにできるだけ高温に選択することができ、一般には400℃〜500℃の温度に選択することができる。あるいは、あまり好ましくないが、原料前駆体の硫黄含量が低い場合には、例えば原料前駆体を加熱せずに原料前駆体を150℃未満の温度で予備改質反応器101に直接供給してもよい。]
[0039] 原料前駆体が予備改質反応器101で触媒を汚染しないように原料前駆体から硫黄を除去するために、予備改質反応器101に供給する前に原料前駆体を脱硫器111で脱硫することができる。1態様では、脱硫器111で脱硫する前に原料前駆体を加熱する。以下に詳述するように、原料前駆体を原料前駆体入口配管113からシステム100に供給し、場合により熱交換器115に供給し、改質反応器103から排出される水素ガス流及び/又は改質反応器103から排出される水素欠乏改質生成物ガス流との熱交換により加熱することができる。予備改質反応器101に供給する前に燃料電池105からのカソード排気流と熱交換することにより、原料前駆体を場合により熱交換器117で更に加熱してもよい。(図示するように)熱交換器117で加熱後又は熱交換器117で加熱する前(図示せず)で予備改質反応器101に供給する前に原料前駆体を脱硫器111で脱硫することができる。従来の脱硫条件下で従来の水素化脱硫触媒と接触させることにより原料前駆体を脱硫器111で脱硫することができる。]
[0040] 原料前駆体を予備改質反応器101の予備改質領域119に供給する。予備改質領域119には予備改質触媒を収容することができ、このような触媒を収容することが好ましい。予備改質触媒は従来の予備改質触媒でよく、当分野で公知の任意のものでよい。使用することができる典型的な予備改質触媒としては、限定されないが、VIII族遷移金属、特にニッケルと高温反応条件下で不活性な担体又は支持体が挙げられる。高温予備改質/水素化分解触媒用担体として使用するのに適した不活性化合物としては、限定されないが、α−アルミナとジルコニアが挙げられる。]
[0041] 固体酸化物型燃料電池105のアノード121から分離したアノード排気流も予備改質反応器101の予備改質領域119に供給する。アノード排気はアノード排気出口123から配管125を通って予備改質反応器101に直接供給することができる。]
[0042] アノード排気流は燃料電池105のアノード121に供給される燃料と未反応燃料の酸化による反応生成物から構成され、水素と水蒸気から構成される。1態様において、アノード排気流は少なくとも0.5、又は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7モル分率の水素を含有している。予備改質反応器101に供給されるアノード排気流中の水素は予備改質反応器101におけるコークス形成を防ぐのに役立つと思われる。1態様において、アノード排気流は最大で0.4、又は最大で0.3、又は最大で0.2モル分率(水蒸気としての)水分を含有する。予備改質反応器101に供給されるアノード排気流中の水蒸気も予備改質反応器101におけるコークス形成を防ぐのにも役立つと思われる。]
[0043] 場合により、配管127から予備改質反応器101に水蒸気を供給し、予備改質反応器101の予備改質領域119で原料前駆体と混合することができる。予備改質反応器101におけるコークス形成を阻止又は防止し、場合により予備改質反応器101で実施される改質反応で利用するために水蒸気を予備改質反応器101に供給することができる。1態様では、予備改質器に添加される原料前駆体中の炭素のモル数に対して配管127から予備改質器101に添加される水蒸気のモル比が少なくとも2倍、少なくとも3倍、又は少なくとも4倍となるような速度で予備改質反応器101の予備改質領域119に水蒸気を供給することができる。予備改質反応器101における原料前駆体中の水蒸気と炭素のモル比を少なくとも2:1、又は少なくとも3:1、又は少なくとも4:1にすると、予備改質反応器101の予備改質領域119におけるコークス形成を阻止するために有用であると思われる。水蒸気を配管127から予備改質反応器101に供給する速度を制御するためには定量弁129を使用することができる。]
[0044] 予備改質反応器に供給される水蒸気は少なくとも125℃、好ましくは150℃〜300℃の温度で予備改質反応器に供給することができ、0.1MPa〜0.5MPaの圧力とすることができ、下記のように予備改質反応器101に供給されるアノード排気流の圧力以下の圧力にすると好ましい。少なくとも1.0MPa、好ましくは1.5MPa〜2.0MPaの圧力の高圧水を水入口配管131から1個以上の熱交換器133に導入してシステム100に供給することにより水蒸気を生成することができる。1個以上の熱交換器133で予備改質反応器から排出される原料と熱交換することにより、高圧水を加熱し、高圧水蒸気を形成する。熱交換器133、又は2個以上の熱交換器133を利用する場合には最後の熱交換器133から排出後、高圧水蒸気を次に配管135から配管127に供給することができる。高圧水蒸気をエキスパンダで膨張させた後に予備改質反応器に供給することにより、高圧水蒸気を所望圧力まで減圧することができる。あるいは、低圧水を1個以上の熱交換器133に通し、得られた水蒸気を予備改質反応器101に送ることにより、予備改質反応器で水蒸気を生成してもよい。]
[0045] 非蒸気状の原料前駆体を気化させ、原料前駆体を分解して原料を形成するために有効な温度で原料前駆体と、場合により水蒸気と、アノード排気流を予備改質反応器103の予備改質領域119で予備改質触媒と混合接触させる。1態様では、原料前駆体と、場合により水蒸気と、アノード排気流を少なくとも600℃、又は750℃〜1050℃、又は800℃〜900℃の温度で予備改質触媒と混合接触させる。]
[0046] 発熱性の固体酸化物型燃料電池105から予備改質反応器101に供給されるアノード排気流は予備改質反応器101における吸熱性分解反応を推進するための熱を供給する。固体酸化物型燃料電池105から予備改質反応器101に供給されるアノード排気流は非常に高温であり、少なくとも800℃の温度であり、一般には850℃〜1100℃、又は900℃〜1050℃の温度である。アノード排気流には固体酸化物型燃料電池105からの熱エネルギーが含まれ、このエネルギーは予備改質反応器101の予備改質領域119でアノード排気流を原料前駆体及び水蒸気と直接混合することにより原料前駆体と場合により水蒸気とアノード排気流の混合物に移動するので、固体酸化物型燃料電池105から予備改質反応器101への熱エネルギーの移動は極めて効率的である。]
[0047] 本発明の方法の好ましい1態様において、アノード排気流は原料前駆体と場合により水蒸気とアノード排気流の混合物から原料を生成するために必要な熱の少なくとも99%、又は実質的に全部を提供する。特に好ましい1態様では、原料前駆体を原料に変換するためにアノード排気流以外の熱源を予備改質反応器に提供しない。]
[0048] 原料前駆体と場合により水蒸気とアノード排気流を予備改質反応器101に供給する相対速度は、アノード排気流により提供される熱が予備改質反応器101で原料を生成するために必要な熱の少なくとも99%、又は実質的に全部を提供するために十分となるように選択及び制御することができる。原料前駆体を予備改質反応器101に供給する速度は原料前駆体をシステム100に供給する速度を制御する定量弁137を調節することにより制御することができる。アノード排気流中の水蒸気以外の水蒸気を予備改質反応器101に供給する速度は、水分をシステム100に供給する速度を制御する定量弁139を調節することにより、又は水蒸気を予備改質反応器101と改質反応器103に供給する速度を制御する定量弁143及び141を調節することにより、又は水蒸気を予備改質反応器とタービン147に供給する速度を制御する定量弁129及び145を調節することにより、又は水蒸気を改質反応器103と予備改質反応器101に供給する速度を制御する定量弁161及び163を調節することにより制御することができる。アノード排気流を予備改質反応器に供給する速度は、水素分離装置107を通過する水素流量を増減するように改質反応器103内の圧力を調節することにより、又は定量弁149及び151を調節することにより制御することができる。]
[0049] 1態様において、アノード排気流と原料前駆体と場合により水蒸気を予備改質反応器101の予備改質領域119で予備改質触媒と接触させる圧力は0.07MPa〜3.0MPaとすることができる。高圧水蒸気を予備改質反応器に供給しない場合には、アノード排気流と原料前駆体と場合により低圧水蒸気を予備改質反応器101の予備改質領域119においてこの範囲の下限の圧力、一般には0.07MPa〜0.5MPa、又は0.1MPa〜0.3MPaで予備改質触媒と接触させることができる。高圧水蒸気を予備改質反応器に供給する場合には、アノード排気流と原料前駆体と水蒸気を予備改質反応器101の予備改質領域119においてこの範囲の上限、一般には1.0MPa〜3.0MPa、又は1.5MPa〜2.0MPaで予備改質触媒と接触させることができる。]
[0050] 原料前駆体と水蒸気とアノード排気流を予備改質反応器101において少なくとも600℃、又は750℃〜1050℃、又は800℃〜900℃の温度で接触させると、原料前駆体が分解し、原料を形成する。原料前駆体中の化合物中の炭素原子数を低減し、より低分子量の化合物を生成することにより、原料前駆体を分解する。1態様において、原料前駆体は改質反応器103への供給原料として有用な炭素原子数が最大で4、又は最大で3、又は最大で2の炭化水素に変換される炭素原子数が少なくとも5、又は少なくとも6、又は少なくとも7の炭化水素を含有することができる。1態様において、原料前駆体は炭素原子数が少なくとも5、又は少なくとも6、又は少なくとも7の炭化水素を少なくとも0.5、又は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7モル分率の割合で含有することができ、得られる原料の炭化水素部分は炭素原子数が最大で4、又は炭素原子数が最大で3、又は最大で2の少なくとも0.5、又は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8モル分率の炭化水素から構成することができる。1態様では、予備改質反応器101で生成される原料が0.1以下、又は0.05以下、又は0.01以下のモル分率の炭素原子数4以上の炭化水素から構成されるように、原料前駆体を予備改質反応器101で反応させることができる。1態様では、原料前駆体から生成される原料中の少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の炭化水素がメタンとなるように原料前駆体を分解することができる。]
[0051] 上記のように、アノード排気流からの水素及び水蒸気と場合により予備改質反応器101に添加される水蒸気は原料前駆体が分解されて原料を形成するにつれて予備改質反応器101でコークスが形成されるのを阻止する。好ましい1態様では、アノード排気流と原料前駆体と水蒸気を予備改質反応器101に供給する相対速度は、アノード排気流中の水素及び水蒸気と、配管127から予備改質反応器101に添加される水蒸気が予備改質反応器101におけるコークスの形成を防ぐように選択される。]
[0052] 1態様では、予備改質反応器101において少なくとも600℃、又は750℃〜1050℃、又は800℃〜900℃の温度で原料前駆体と水蒸気とアノード排気を予備改質触媒と接触させると、原料前駆体及び予備改質反応器101内で生成された原料中の炭化水素の少なくとも一部の改質も行われ、水素と炭素酸化物、特に一酸化炭素を生成することができる。改質の量は実質的とすることができ、予備改質反応器における分解と改質の結果として得られる原料は少なくとも0.05、又は少なくとも0.1、又は少なくとも0.15モル分率の一酸化炭素を含有することができる。]
[0053] 予備改質反応器101の予備改質領域119における温度及び圧力条件は、予備改質反応器101で生成される原料が20℃でガス状である一般に炭素原子数1〜4の低級炭化水素を含有するように選択することができる。好ましい1態様において、原料中の炭化水素は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9モル分率のメタンから構成される。原料は更にアノード排気流からの水素を含有することができ、予備改質反応で改質を行う場合には、改質原料前駆体化合物からの水素を含有することができる。原料は更にアノード排気流からと、場合により予備改質器水蒸気原料からの水蒸気を含有する。予備改質反応器101で実質的な改質を行う場合には、予備改質反応器101で生成され、改質反応器103に供給される原料は更に一酸化炭素を含有することができる。]
[0054] 本発明の方法では、予備改質反応器101から配管153により予備改質反応器101と作動的に接続された改質反応器103に原料を供給する。場合により原料を改質反応器103に供給する前に1個以上の熱交換器133で冷却してもよい。更に場合により原料を改質反応器103に供給する前にコンプレッサ155で圧縮してもよい。]
[0055] 改質反応器103に供給する前に予備改質反応器101から排出される原料の温度を下げることができる。予備改質反応器から排出される原料は600℃〜1000℃の温度とすることができる。原料を1個以上の熱交換器133に通し、原料を冷却することができる。システム100に供給される水と熱交換し、原料を冷却し、上記のように予備改質反応器101に供給可能な水蒸気を生成することにより、原料を冷却することができる。2個以上の熱交換器133を利用する場合には、原料を冷却すると共に水分/水蒸気を加熱するように原料と水分/水蒸気を好ましくは向流で熱交換器133の各々に直列に供給することができる。150℃〜650℃、又は150℃〜300℃、又は400℃〜650℃、又は450℃〜550℃の温度まで原料を冷却することができる。冷却した原料を1個以上の熱交換器133からコンプレッサ155に供給することができ、又は別の態様では改質反応器103に直接供給することができる。あるいは、あまり好ましくないが、予備改質反応器101から排出された原料を冷却せずにコンプレッサ155又は改質反応器103に供給してもよい。]
[0056] 1個以上の熱交換器133による冷却に加え、必要に応じて改質反応器103改質領域157の圧力を少なくとも0.5MPaの圧力まで上昇させるために、原料をコンプレッサ155により少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1.0MPa、又は少なくとも1.5MPa、又は少なくとも2MPa、又は少なくとも2.5MPa、又は少なくとも3MPaの圧力まで圧縮し、原料中に存在しており、改質反応器103で原料から生成された水素を改質反応器103で水素分離装置107に通すために十分な圧力を改質反応器103の改質領域157に維持することができる。コンプレッサ155は高圧で運転することが可能なコンプレッサであり、市販のStarRotorコンプレッサが好ましい。]
[0057] 水素と低級炭化水素と水蒸気と場合により一酸化炭素を含有しており、場合により圧縮され、場合により冷却された原料を改質反応器103に供給する。原料は少なくとも0.5MPaの圧力と、400℃〜800℃、好ましくは400℃〜650℃の温度とすることができる。]
[0058] 場合により、必要に応じて原料を改質するために原料と混合するために付加水蒸気を改質反応器103の改質領域157に添加してもよい。好ましい1態様では、原料がコンプレッサ155で圧縮されるにつれて原料と混合するために高圧水を水入口配管131から配管165を通ってコンプレッサ155に注入することにより付加水蒸気を添加することができる。1態様(図示せず)では、熱交換器133の1個以上で高圧水と原料を混合することにより高圧水を原料に注入することができる。別の態様(図示せず)では、原料を1個以上の熱交換器133に送る前もしくは後又は原料をコンプレッサ155に送る前もしくは後に高圧水を配管153内の原料に注入することができる。1態様では、高圧水を配管153、又はコンプレッサ155、又は1個以上の熱交換器133に注入することができ、コンプレッサ155又は1個以上の熱交換器133はシステム100に含まれない。]
[0059] 原料と混合することにより高圧水を加熱して水蒸気を形成し、水と混合することにより原料を冷却する。注入した水により原料に提供される冷却により、1個以上の熱交換器133の必要をなくすか又は減らすことができ、好ましくは原料を冷却するために使用される熱交換器133の個数を最大で1まで減らすことができる。]
[0060] あるいは、あまり好ましくないが、高圧水蒸気を改質反応器103の改質領域157又は配管153から改質反応器103に注入し、原料と混合してもよい。高圧水蒸気は予備改質反応器101から排出される原料と熱交換することにより1個以上の熱交換器133で水入口配管131からシステム100に注入された高圧水を加熱することにより生成される水蒸気とすることができる。高圧水蒸気は配管159から改質反応器101に供給することができる。改質反応器103への水蒸気の流量を制御するためには定量弁161及び163を使用することができる。高圧水蒸気は改質反応器103に供給される原料と同等の圧力とすることができる。あるいは、高圧水蒸気を配管153に供給し、原料をコンプレッサ155に供給する前に原料と混合し、水蒸気と原料の混合物を一緒に選択された圧力まで圧縮してもよい。高圧水蒸気は200℃〜500℃の温度とすることができる。]
[0061] 高圧水又は高圧水蒸気を原料に注入する速度は、改質反応器103で水素を生成するように改質反応と水性ガスシフト反応を最適化するために有効な量の水蒸気を改質反応器103に提供するように選択することができる。高圧水を原料に注入する場合には、水を配管165から原料に注入する速度を制御するために定量弁139、141及び143を調節することができる。高圧水蒸気を改質反応器103又は配管153に注入する場合には、水蒸気を改質反応器103又は配管153に注入する速度を制御するために、定量弁139、143、161、及び163を調節することができる。]
[0062] 原料と場合により付加水蒸気を改質反応器103の改質領域157に供給する。改質領域には改質触媒を収容することができ、このような触媒を収容することが好ましい。改質触媒は従来の水蒸気改質触媒でよく、当分野で公知の任意のものでよい。使用することができる典型的な水蒸気改質触媒としては、限定されないが、VIII族遷移金属、特にニッケルが挙げられる。多くの場合には、耐火性担体(又は支持体)に改質触媒を担持することが望ましい。担体を使用する場合には、不活性化合物が好ましい。担体として使用するのに適した不活性化合物は周期表のIII族及びIV族の元素を含有する(例えばAl、Si、Ti、Mg、Ce及びZrの酸化物又は炭化物)。]
[0063] 改質領域157において水素と炭素酸化物を含有する改質生成物ガスを形成するために有効な温度で原料と場合により付加水蒸気を改質触媒と混合接触させる。改質生成物ガスは原料中の炭化水素を水蒸気改質することにより形成することができる。改質生成物ガスは原料中の水蒸気と一酸化炭素の水性ガスシフト反応により形成することもできるし、及び/又は原料の水蒸気改質により生成することもできる。1態様において、予備改質反応器で実質的な量の改質が実施され、原料が実質的な量の一酸化炭素を含有している場合には、改質反応器103は水性ガスシフト反応器として機能することができる。改質生成物ガスは水素と少なくとも1種類の炭素酸化物を含有することができる。改質生成物ガスに含むことができる炭素酸化物としては一酸化炭素と二酸化炭素が挙げられる。]
[0064] 原料と改質生成物ガスが水素分離膜107と接触し、水素が膜107の膜壁167を透過して管状膜107の内側に配置された水素導管169に到達するように配置された改質反応器103の改質領域157に1個以上の高温管状水素分離膜107を配置することができる。夫々の水素分離膜107の膜壁167は改質反応器103の改質領域157で改質生成物ガス、原料、及び水蒸気の非水素化合物との気体連通から膜107の水素導管169を分離する。改質領域157内の水素が膜107の膜壁167を透過して水素導管169に到達し、改質領域157内の他のガスが膜壁167により水素導管169に到達するのを阻止されるように、膜壁167は元素及び/又は分子状の水素に選択的に透過性である。]
[0065] 改質領域における高温管状水素分離膜107は選択的に水素透過性の金属又は合金の薄膜で被覆した支持体を含むことができる。支持体は水素透過性のセラミック又は金属材料から形成することができる。多孔質ステンレス鋼や多孔質アルミナが膜107の支持体に好ましい材料である。支持体を被覆する水素選択的金属又は合金はVIII族の金属から選択することができ、限定されないが、特に合金としてのPd、Pt、Ni、Ag、Ta、V、Y、Nb、Ce、In、Ho、La、Au、及びRuが挙げられる。パラジウム及び白金合金が好ましい。本発明の方法で使用される特に好ましい膜107は多孔質ステンレス鋼支持体を被覆する大表面積パラジウム合金の超薄膜をもつ。この種の膜は米国特許第6,152,987号に開示されている方法を使用して製造することができる。大表面積の白金又は白金合金の薄膜も水素選択的材料として適していると思われる。]
[0066] 膜壁167を通して改質反応器の改質領域157から水素導管169に水素を流入させるように、改質反応器103の改質領域157の内側の圧力を管状膜107の水素導管169の内側の圧力よりも有意に高いレベルに維持する。1態様では、水素導管169を大気圧又はその付近に維持し、改質領域157を少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1.0MPa、又は少なくとも2MPa、又は少なくとも3MPaの圧力に維持する。上記のように、予備改質反応器101からの原料をコンプレッサ155で圧縮し、原料混合物を高圧で改質領域157に注入することにより、改質領域157をこのような高圧に維持することができる。あるいは、上記のように高圧水蒸気を原料と混合し、高圧混合物を改質反応器103の改質領域157に注入することにより改質領域157をこのような高圧に維持することができる。あるいは、高圧水蒸気を予備改質反応器101で原料前駆体と混合し、予備改質反応器101で生成された高圧原料を改質反応器103に直接又は1個以上の熱交換器133を介して注入することにより、改質領域157をこのような高圧に維持することができる。改質反応器103の改質領域157は少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1.0MPa、又は少なくとも2.0MPa、又は少なくとも3.0MPaの圧力に維持することができる。]
[0067] 原料と場合により付加水蒸気を改質反応器103の改質領域157で改質触媒と混合接触させる温度は少なくとも400℃であり、好ましくは400℃〜650℃、最も好ましくは450℃〜550℃とすることができる。水素は改質領域157から水素分離膜107の水素導管169に除去され、従って、改質反応器103から除去されるので、750℃を上回る温度で水素を生成する典型的な水蒸気改質反応と異なり、本発明の方法における改質反応の平衡は400℃〜650℃の温度で運転する改質反応器101での水素生成を助長する。400℃〜650℃の動作温度はシフト反応も助長し、一酸化炭素と水蒸気をより多量の水素に変換した後、改質領域103から膜107の膜壁167を通して水素分離膜107の水素導管169に除去する。改質反応器103から水素を連続的に除去するので平衡に達することはないため、改質反応器103で改質反応と水性ガスシフト反応により炭化水素と一酸化炭素から水素と二酸化炭素へのほぼ完全な変換が達成される。]
[0068] 予備改質反応器101から改質反応器103に供給される原料は改質反応器103で反応を推進するための熱を供給する。予備改質反応器101から改質反応器103に供給される原料は改質反応器103で反応を推進するために十分な熱エネルギーを含むことができ、600℃〜1000℃の温度とすることができる。予備改質反応器101からの原料の熱エネルギーは改質反応器103で反応を推進するために必要な熱エネルギーを上回ることができ、上記のように、原料を改質反応器103に供給する前に1個以上の熱交換器133を通すか、及び/又は水を原料に注入することにより原料を400℃〜600℃未満の温度まで冷却することができる。1)水性ガスシフト反応で水素の生成を助長するように改質反応器103内の温度を調節し;2)膜107寿命を延ばし;3)コンプレッサ155性能を改善するように、原料を改質反応器103に供給する前に原料を冷却することが好ましいと思われる。原料には予備改質反応器101からの熱エネルギーが含まれ、このエネルギーが改質反応器103内の反応に密接に関与するので、予備改質反応器101から改質反応器103への熱エネルギーの移動は極めて効率的である。]
[0069] 一般には必要ないが、必要に応じて、固体酸化物型燃料電池105からの高温カソード排気流から改質反応器103に更に熱を供給してもよい。800℃〜1100℃の温度の高温カソード排気流がカソード排気出口173を通って燃料電池105のカソード171から排出され、改質反応器103の改質領域157の内側に配置することができる1個以上のカソード排気導管177に配管175から供給することができる。カソード排気流がカソード排気導管177を通過するにつれて、改質反応器103の改質領域157においてカソード排気流と原料と場合により付加水蒸気の間で高温カソード排気流からの熱を交換することができる。]
[0070] 燃料電池105からのカソード排気流から吸熱性の改質反応器101への熱交換が行われる場合には効率的である。カソード排気導管177を改質反応器103の改質領域157の内側に配置することにより、反応器103の内側で高温カソード排気流と原料と存在する場合には付加水蒸気の間の熱交換が可能になり、改質反応とシフト反応が行われる場所で原料と存在する場合には付加水蒸気に熱が移動する。更に、カソード排気導管177を改質領域157の内側に配置することにより、導管177が触媒層と近接する結果として、高温カソード排気流により改質領域157内の改質触媒を加熱することが可能になる。]
[0071] カソード排気流から改質反応器103への熱の供給はカソード排気流を改質反応器103のカソード排気導管177に供給する速度を選択及び制御することにより制御することができ、この速度は定量弁179及び181の操作により制御される。改質反応器103に熱を提供するためにカソード排気導管177に供給されないカソード排気流の任意部分を配管178から熱交換器117に送ることができ、カソード排気流は原料前駆体と熱交換し、原料前駆体を加熱することができる。カソード排気流を選択された速度で配管175から改質反応器103のカソード排気導管177に送り、改質反応器103に熱を提供するために使用されないカソード排気流の任意部分を配管178から熱交換器117に送るように、定量弁179及び181を連携調節することができる。改質反応器103のカソード排気導管177から排出される冷却カソード排気流を配管180から熱交換器117に供給することにより、熱交換器117に更に熱を提供し、原料前駆体を加熱することができ、冷却カソード排気流は原料前駆体に熱を提供するために十分な熱エネルギーをもつ。]
[0072] 1態様において、予備改質反応器101からの原料は改質反応器103における反応を推進するために十分な熱を含み、カソード排気流は改質反応器103に供給されず、原料前駆体を加熱するために熱交換器117に供給することができる。この態様では、カソード排気導管177を改質反応器103に配置する必要がない。]
[0073] 水素欠乏改質生成物ガス流を改質領域157から配管183により除去することができ、水素欠乏改質生成物ガス流は未反応原料と、改質生成物ガス中の水素以外のガス状改質生成物を含有することができる。水素以外の改質生成物と未反応原料としては、二酸化炭素と、(水蒸気としての)水分と、少量の一酸化炭素及び未反応炭化水素が挙げられる。水素欠乏改質生成物ガス流には少量の水素も含まれる場合がある。]
[0074] 1態様において、改質領域157から分離される水素欠乏改質生成物ガス流は乾燥基準で少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の二酸化炭素を含有する二酸化炭素ガス流とすることができる。二酸化炭素ガス流は少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1MPa、又は少なくとも2MPa、又は少なくとも2.5MPaの圧力の高圧ガス流である。以下、水素欠乏改質生成物ガス流を二酸化炭素ガス流と言う。]
[0075] 高圧二酸化炭素ガス流は改質反応器103から排出され、熱交換器115で原料前駆体を加熱するために利用することができ、及び/又は熱交換器185で燃料電池105のカソード171に供給される酸素含有ガス流を加熱するために利用することができる。原料前駆体を原料前駆体入口配管113から熱交換器115に供給しながら二酸化炭素ガス流を配管187から熱交換器115に送ることにより原料前駆体を加熱するために高圧二酸化炭素ガス流を利用することができる。1態様では、得られた冷却高圧二酸化炭素流を次に配管189から熱交換器185に供給し、燃料電池105のカソード171に供給される酸素含有ガス流を加熱することができる。別の態様では、冷却高圧二酸化炭素流をタービン147で膨張させることができる。]
[0076] あるいは、原料前駆体を加熱せずに燃料電池105のカソード171に供給される酸素含有ガス流を加熱するために、予備改質反応器から排出される高圧二酸化炭素ガス流を使用してもよい。酸素含有ガス流を加熱すると共に二酸化炭素ガス流を冷却するために高圧二酸化炭素ガス流を改質反応器103から配管183により熱交換器185に供給することができる。冷却した二酸化炭素ガス流を次にタービン147で膨張させることができる。]
[0077] 改質反応器103から熱交換器115及び185への高圧二酸化炭素流の流量は定量弁193及び195を調節することにより制御することができる。原料前駆体及び/又は酸素含有ガス流を選択された温度まで加熱するように熱交換器115及び185への二酸化炭素流の流量を制御するためには定量弁193及び195を調節することができる。原料前駆体を予備改質反応器に供給するにつれて原料前駆体が少なくとも150℃、又は200℃〜500℃の温度となるような温度まで1個以上の補助熱交換器117と連携して原料前駆体を加熱することができる。燃料電池から排出されるカソード排気流が750℃〜1100℃の温度となるような温度まで酸素含有ガスを加熱することができ、酸素含有ガスを150℃〜450℃の温度まで加熱することができる。定量弁193及び195はフィードバック機構により自動調節することができ、フィードバック機構は燃料電池105から排出されるカソード排気流の温度及び/又は予備改質反応器101に流入する原料前駆体の温度を測定し、改質反応器103内の内圧を所望レベルに維持しながらカソード排気流及び/又は予備改質反応器101に流入する原料前駆体の温度を設定範囲内に維持するように定量弁193及び195を調節することができる。]
[0078] 高圧二酸化炭素ガス流は改質反応器103から排出時に有意量の水分を水蒸気として含有している可能性がある。1態様では、熱交換器115及び/又は熱交換器185と必要に応じて1個以上の補助熱交換器(図示せず)で高圧二酸化炭素ガス流を冷却し、水蒸気から水分を凝縮させることにより、高圧二酸化炭素ガス流から水蒸気を除去することができる。これは、例えば油層からの油回収の強化用、又は飲料の炭酸化用として比較的純粋な二酸化炭素流が望ましい場合に有用であると思われる。]
[0079] 熱交換器115及び/又は熱交換器185を通過後、高圧二酸化炭素流をタービン147で膨張させ、タービン147を駆動し、低圧二酸化炭素流を生成することができる。場合により、予備改質反応器101又は改質反応器103で利用されない高圧水蒸気を配管191に送り、高圧二酸化炭素流と共に又は場合により高圧二酸化炭素流の不在下にタービン147で膨張させてもよい。タービン147は燃料電池105により発生される電力以外に電力を発生するために使用することができる。あるいは、コンプレッサ155及び197等の1個以上のコンプレッサを駆動するためにタービン147を使用してもよい。]
[0080] 水素分離膜107の膜壁167に水素を選択的に透過させて水素分離膜107の水素導管169に流入させることにより、水素を含有するガス流(以下、水素ガス流と言う)を改質反応器103で改質生成物ガスから分離することができる。水素ガス流は非常の高濃度の水素を含有することができ、少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の水素を含有することができる。]
[0081] 水素分離膜107を通る水素の流速が高いため、比較的高い速度で水素ガス流を改質生成物ガスから分離することができる。水素は高分圧で改質反応器103に存在するため、水素は高流速で水素分離膜107を通過する。改質反応器103における水素の高分圧は、1)予備改質反応器101に供給され、原料として改質反応器103に送られるアノード排気流中の有意量の水素;2)予備改質反応器101で生成され、改質反応器103に供給される水素;及び3)改質反応器103で改質反応とシフト反応により生成される水素に起因する。改質生成物から水素を分離する速度が高いため、水素分離膜107の水素導管169を通って改質反応器103から水素を除去し易くするために水蒸気スイープガスは必要ない。]
[0082] 水素ガス流は改質反応器103から排気配管199を通って分離することができる。次に水素ガス流を配管201からアノード入口203を通って固体酸化物型燃料電池105のアノード121に供給することができる。水素ガス流は燃料電池105でアノード経路長に沿って1個以上のアノード電極で酸化剤との電気化学反応のためにアノード121に水素を提供する。]
[0083] 水素ガス流をアノード121に供給する前に、水素ガス流又はその一部を熱交換器115に供給し、原料前駆体を加熱すると共に水素ガス流を冷却することができる。改質反応器103から排出時に水素ガス流は400℃〜650℃の温度、一般には450℃〜550℃の温度にすることができる。上記のように熱交換器115で水素ガス流と熱交換し、場合により二酸化炭素ガス流と熱交換することにより原料前駆体を場合により加熱することができる。原料前駆体が予備改質反応器に供給される際に原料前駆体が少なくとも150℃、又は200℃〜500℃の温度になるような温度まで1個以上の補助熱交換器117と連携して原料前駆体を加熱することができる。]
[0084] 燃料電池105のカソード171に供給される酸素含有ガス流の温度を選択及び制御すると共に、固体酸化物型燃料電池103の動作温度を800℃〜1100℃の範囲に制御するように、燃料電池105のアノード121に供給される水素ガス流を最大で400℃、又は最大で300℃、又は最大で200℃、又は最大で150℃、又は20℃〜400℃、又は25℃〜250℃の温度まで冷却することができる。熱交換器115で原料前駆体と熱交換することにより水素ガス流又はその一部を一般に200℃〜400℃の温度まで冷却することができる。場合により、水素ガス流又はその一部を熱交換器115から1個以上の補助熱交換器(図示せず)に送り、1個以上の補助熱交換器の各々で原料前駆体又は水流と更に熱交換することにより、水素ガス流又はその一部を更に冷却することができる。補助熱交換器をシステム100で利用する場合には、水素ガス流又はその一部を20℃〜200℃、好ましくは25℃〜100℃の温度まで冷却することができる。1態様では、水素ガス流の一部を熱交換器115と場合により1個以上の補助熱交換器で冷却することができ、水素ガス流の一部を熱交換器で冷却せずに燃料電池105のアノード121に供給することができ、水素ガス流の合計部分を最大で400℃、又は最大で300℃、又は最大で200℃、又は最大で150℃、又は20℃〜400℃、又は25℃〜100℃の温度で燃料電池105のアノード121に供給することができる。]
[0085] 熱交換器115と場合により1個以上の補助熱交換器への水素ガス流又はその一部の流速は、燃料電池105のアノード121に供給される水素ガス流の温度を制御するように選択及び制御することができる。熱交換器115と場合により補助熱交換器への水素ガス流又はその一部の流速は、定量弁205及び207を調節することにより選択及び制御することができる。水素ガス流又はその一部を冷却せずに配管209から固体酸化物型燃料電池105のアノード121に供給する水素ガス流又はその一部の流量を制御するためには定量弁205を調節することができる。配管211から熱交換器115と場合により補助熱交換器への水素ガス流又はその一部の流量を制御するためには定量弁207を調節することができる。水素ガス流を燃料電池105のアノード121に供給する前に水素ガス流に所望程度の冷却を提供するように、定量弁205及び207を連携調節することができる。1態様では、燃料電池105から排出されるアノード排気流及び/又はカソード排気流の温度のフィードバック測定値に応じて定量弁205及び207を連携調節することができる。]
[0086] 熱交換器115と場合により補助熱交換器に供給される水素ガス流の任意部分を熱交換器115から、又は第1のガス流を冷却するために使用される最後の補助熱交換器から配管213を介して供給し、配管209から熱交換器115の周囲を流れる水素ガス流の任意部分と配管215で合流させることができる。1態様では、水素ガス流の合計部分をコンプレッサ197で圧縮して水素ガス流の圧力を増加した後に、水素ガス流を配管201からアノード入口203を通って燃料電池105のアノード121に供給することができる。1態様では、水素ガス流を0.15MPa〜0.5MPa、又は0.2MPa〜0.3MPaの圧力まで圧縮することができる。高圧二酸化炭素流及び/又は高圧水蒸気をタービン147で膨張させることにより、コンプレッサ197を駆動するために必要なエネルギーの全部又は一部を提供することができる。]
[0087] 1態様では、水蒸気を含有するスイープガスを配管217から水素分離装置107の水素導管169に注入し、膜壁メンバー167の内部から水素ガス流を押出し、水素分離装置107を通る水素流速を増加すると共に、水素を水素分離装置107により改質領域157から分離できる速度を増加することができる。水素ガス流と水蒸気スイープガスは水素分離装置107と改質反応器103から水素排気配管199により除去することができる。]
[0088] この態様では、水素ガス流をアノード107に供給する前に水素ガス流と水蒸気スイープガスを冷却し、水素ガス流と水蒸気スイープガスの混合流から水分を凝縮させる必要がある。弁205を閉じ、水素ガス流と水蒸気スイープガスの混合流が配管209からアノードに供給されないようにすることができ、あるいは、水蒸気スイープガスを利用する場合には、システム100に配管209と弁205に配置しなくてもよい。水素ガス流と水蒸気スイープガスを熱交換器115に供給し、上記のように原料前駆体との熱交換により水素ガス流と水蒸気スイープガスの混合流を冷却する。水素ガス流から水分を分離するために十分に水素ガス流と水蒸気スイープガスを冷却する必要があるため、水素ガス流と水蒸気スイープガスの混合流を1個以上の補助熱交換器(図示せず)に供給し、水素ガス流と水蒸気スイープガスの混合流を冷却し、混合ガス流から水分を凝縮させることができる。水素ガス流と水蒸気スイープガスの混合流を冷却するための最後の熱交換器は水蒸気スイープガスを水素ガス流から凝縮分離するコンデンサ(図示せず)とすることができる。水素ガス流を熱交換器で100℃未満、又は90℃未満、又は70℃未満、又は60℃未満まで冷却し、水蒸気スイープガスを水素ガス流から凝縮分離することができる。次に分離された乾燥水素ガス流を上記のように配管213、215、及び201とコンプレッサ147を通って燃料電池105のアノード121に供給することができる。]
[0089] 水蒸気スイープガスを伴うか否かに拘わらず、改質反応器103から分離した水素ガス流を次に配管201からアノード入口203を通って固体酸化物型燃料電池105のアノード121に供給することができる。水素ガス流は燃料電池105のアノード経路長に沿って1個以上のアノード電極で酸化剤との電気化学反応のために水素をアノード121に提供する。水素ガス流を燃料電池105のアノード121に供給する速度は原料を改質反応器103に供給する速度を選択することにより選択することができ、この速度は原料前駆体を予備改質反応器101に供給する速度により選択することができ、原料前駆体入口弁137を調節することにより制御できる。]
[0090] あるいは、水素ガス流を燃料電池105のアノード121に供給する速度は定量弁149及び151を連携制御することにより選択することができる。アノード121への水素ガス流の流量を増減するためには定量弁151を調節することができる。水素貯蔵タンク223への水素ガス流の流量を増減するためには定量弁149を調節することができる。選択された流速の水素ガス流を配管201から燃料電池105のアノード121に供給し、選択された流速を提供するために必要な量の水素ガス流よりも多量の水素ガス流の一部を配管225から水素タンク223に供給するように、定量弁149及び151を連携制御することができる。]
[0091] 酸素含有ガス流を配管229からカソード入口227を通って燃料電池のカソード171に供給し、電解質を横断して燃料電池105の1個以上のアノード電極で水素ガス流中の水素と電気化学的に反応することが可能な酸化剤を提供する。酸素含有ガス流はエアーコンプレッサ又は酸素タンク(図示せず)により提供することができる。1態様において、酸素含有ガス流は空気又は純酸素とすることができる。別の態様において、酸素含有ガス流は少なくとも21%の酸素を含有する酸素リッチな空気流とすることができ、酸素リッチな空気流は燃料電池でイオン酸素に変換するための酸素の含有量が多いので、酸素リッチな空気流は空気よりも高い電気効率を固体酸化物型燃料電池に提供する。]
[0092] 酸素含有ガス流を燃料電池105のカソード171に供給する前に加熱することができる。1態様では、改質反応器103からの二酸化炭素流の少なくとも一部と熱交換することにより、酸素含有ガス流を熱交換器185で燃料電池105のカソード171に供給する前に150℃〜350℃の温度まで加熱することができる。別の態様では、熱交換器185で熱交換器115からの冷却二酸化炭素流と熱交換することにより、酸素含有ガス流を加熱することができる。別の態様では、配管231から熱交換器185に供給される高圧水蒸気と熱交換器185で熱交換することにより、酸素含有ガス流を加熱することができる。別の態様では、配管233を通って熱交換器117から熱交換器185に供給される冷却カソード排気流と熱交換することにより、酸素含有ガス流を熱交換器185で加熱することができる。あるいは、電気ヒーター(図示せず)により酸素含有ガス流を加熱してもよいし、酸素含有ガス流を加熱せずに燃料電池105のカソード171に提供してもよい。]
[0093] 本発明の方法で使用される固体酸化物型燃料電池105は好ましくは板状又は管状形状をもつ従来の固体酸化物型燃料電池とすることができ、アノード121とカソード171と電解質235から構成され、電解質235はアノード121とカソード171の間に挿入される。固体酸化物型燃料電池は水素ガス流が積層した燃料電池のアノードを流れ、酸素含有ガスが積層した燃料電池のカソードを流れるように積層され、中間層により電気的に結合され、作動的に接続された複数の個別の燃料電池から構成することができる。固体酸化物型燃料電池105は単独の固体酸化物型燃料電池でもよいし、作動的に接続又は積層された複数の固体酸化物型燃料電池でもよい。1態様において、アノード121はNi/ZrO2サーメットから形成され、カソード171は酸化プラセオジムを含浸させ、SnOドープIn2C3で被覆したドープ亜マンガン酸ランタン又は安定化ZrO2から形成され、電解質235はイットリア安定化ZrO2(約8モル% Y2O3)から形成される。積層された個々の燃料電池又は管状燃料電池間の中間層はドープ亜クロム酸ランタンとすることができる。]
[0094] 固体酸化物型燃料電池105は、水素ガス流がアノード入口203からアノード排気出口123まで燃料電池105のアノード121を流れ、アノード入口203からアノード排気出口123までアノード経路長全体にわたって1個以上のアノード電極と接触するように構成される。燃料電池105は更に、酸素含有ガスがカソード入口227からカソード排気出口173までカソード171を流れ、カソード入口227からカソード排気出口173までカソード経路長全体にわたって1個以上のカソード電極と接触するように構成される。電解質235は水素ガス流がカソード171に流入するのを防ぎ、酸素含有ガスがアノード121に流入するのを防ぎ、1個以上のアノード電極で水素ガス流中の水素と電気化学反応させるためにイオン酸素をカソード171からアノード121に移送するように燃料電池105に配置されている。]
[0095] 固体酸化物型燃料電池105はイオン酸素が燃料電池105のカソード171からアノード121まで電解質235を横断するのに有効な温度で運転される。固体酸化物型燃料電池105は700℃〜1100℃、又は800℃〜1000℃の温度で運転することができる。1個以上のアノード電極におけるイオン酸素による水素の酸化は非常に発熱性の反応であり、反応熱は固体酸化物型燃料電池105を運転するために必要な熱を生成する。固体酸化物型燃料電池105を運転する温度は水素ガス流及び酸素含有ガス流の温度と、これらのガス流を燃料電池105に供給する流速を独立して制御することにより制御することができる。1態様では、固体酸化物型燃料電池105の動作温度を700℃〜1000℃、好ましくは800℃〜950℃に維持するように、燃料電池105に供給される水素ガス流の温度を最大で400℃、又は最大で300℃、又は最大で200℃、又は最大で100℃、又は20℃〜400℃、又は25℃〜250℃の温度に制御し、酸素含有ガス流の温度を最大で400℃、又は最大で300℃、又は最大で200℃、又は最大で100℃、又は150℃〜350℃の温度に制御する。]
[0096] 1態様では、配管191から燃料電池105の外周に配置した1個以上の導管261又は燃料電池105の内部に延びる1個以上の導管263に高圧水蒸気を流して燃料電池105を冷却することにより、燃料電池105に補助冷却を提供することができる。得られた過熱水蒸気を配管191に通し、タービン147で膨張させることができる。]
[0097] 燃料電池105の運転を開始するためには、燃料電池105をその動作温度まで加熱する。好ましい1態様では、触媒部分酸化改質反応器237で水素含有ガス流を生成し、水素含有ガス流を配管239から固体酸化物型燃料電池のアノード121に供給することにより、固体酸化物型燃料電池105の運転を開始することができる。炭化水素原料に対して化学量論的量よりも少量の酸素源を触媒部分酸化改質反応器237に供給し、炭化水素原料と酸素源を触媒部分酸化改質反応器237で従来の部分酸化改質触媒の存在下に燃焼させることにより触媒部分酸化改質反応器237で水素含有ガス流を生成することができる。炭化水素原料は入口配管241から触媒部分酸化改質反応器237に供給することができ、酸素源は配管243から触媒部分酸化改質反応器237に供給することができる。]
[0098] 触媒部分酸化改質反応器237に供給される炭化水素原料は液体もしくはガス状炭化水素、又は炭化水素混合物とすることができ、メタン、天然ガス、又は低分子量炭化水素もしくは低分子量炭化水素の混合物が挙げられる。本発明の方法の特に好ましい1態様において、触媒部分酸化改質反応器237に供給される炭化水素原料は方法の実施に必要な炭化水素原料数を減らすために、予備改質反応器101で使用される原料前駆体と同一種とすることができ、原料入口配管113から配管245を通って触媒部分酸化改質反応器237に供給することができる。]
[0099] 触媒部分酸化改質反応器237に供給される酸素含有原料は純酸素、空気、又は酸素リッチな空気とすることができる。触媒部分酸化改質反応器237で炭化水素原料と燃焼させるために炭化水素原料に対して化学量論的量よりも少量の酸素含有原料を触媒部分酸化改質反応器237に供給すべきである。1態様において、触媒部分酸化改質反応器237に供給される酸素含有原料は始動後に燃料電池105を運転するのに使用される酸素含有ガス流と同一起源に由来し、酸素含有ガス流入口配管221から配管243を通って触媒部分酸化改質反応器237に供給することができる。]
[0100] 触媒部分酸化改質反応器237で炭化水素原料と酸素含有ガスの燃焼により形成される水素含有ガス流は、燃料電池105のアノード121においてアノード電極の1個以上で酸化剤との接触により酸化させることが可能な化合物(水素と一酸化炭素を含む)と、他の化合物(例えば二酸化炭素)を含有する。触媒部分酸化改質反応器237からの水素含有ガス流は燃料電池105のアノード121で1個以上のアノード電極を酸化することが可能な化合物を含有すべきでない。]
[0101] 触媒部分酸化改質反応器237で形成される水素含有ガス流は高温であり、少なくとも700℃、又は700℃〜1100℃、又は800℃〜1000℃の温度であり得る。本発明の方法では固体酸化物型燃料電池105の始動を開始するために触媒部分酸化改質反応器237からの高温水素ガス流を使用すると、燃料電池105の温度をほぼ瞬時に燃料電池105の動作温度まで上昇させることができるので好ましい。1態様では、熱交換器185において触媒部分酸化改質反応器237からの高温水素含有ガスと燃料電池105の運転開始時に燃料電池105のカソード171に供給される酸素含有ガスの間で熱交換し、酸素含有ガスを加熱することができる。]
[0102] 燃料電池105の動作温度に達したら、弁151を開いて改質反応器103からアノード121に水素ガス流を供給し、酸素含有ガス流を燃料電池105のカソード171に供給しながら、触媒部分酸化改質反応器237から燃料電池105への高温水素含有ガス流の流入を弁249により遮断することができる。触媒部分酸化改質反応器への炭化水素原料が原料前駆体と同一起源に由来する場合には、燃料電池105の運転中に弁251を閉じ、触媒部分酸化改質反応器237への炭化水素原料の流れを止めることができる。同様に、触媒部分酸化改質反応器237への酸素含有原料が燃料電池105のカソード171で使用される酸素含有ガス流と同一起源に由来する場合には、燃料電池105の運転中に弁253を閉じ、触媒部分酸化改質反応器237への酸素含有原料の流れを止めることができる。その後、本発明の方法に従って燃料電池の連続運転を実施することができる。]
[0103] 別の態様では、水素ガス流を燃料電池105に導入する前に水素貯蔵タンク223からの水素始動ガス流を始動ヒーター255に通して燃料電池105をその動作温度まで上昇させることにより燃料電池105の運転を開始することができる。水素貯蔵タンク223は水素始動ガス流を固体酸化物型燃料電池105のアノード121に導入できるように、燃料電池105と作動的に接続することができる。始動ヒーター255は水素始動ガス流を750℃〜1000℃の温度まで間接的に加熱することができる。始動ヒーター255は電気ヒーターでもよいし、燃焼ヒーターでもよい。燃料電池105の動作温度に達したら、弁257により燃料電池105への水素始動ガス流の流れを遮断し、水素ガス流と酸素含有ガス流を燃料電池105に導入し、燃料電池の運転を開始することができる。]
[0104] 燃料電池105の運転の開始中に、酸素含有ガス流を燃料電池105のカソード171に導入することができる。酸素含有ガス流は空気、少なくとも21%の酸素を含有する酸素リッチな空気、又は純酸素とすることができる。酸素含有ガス流は燃料電池の運転開始後の燃料電池105の運転中にカソード171に供給される酸素含有ガス流が好ましい。]
[0105] 好ましい1態様において、燃料電池105の始動中に燃料電池105のカソード171に供給される酸素含有ガス流は少なくとも500℃、より好ましくは少なくとも650℃、より好ましくは少なくとも750℃の温度である。酸素含有ガス流を固体酸化物型燃料電池105のカソード171に供給する前に電気ヒーター(図示せず)又は燃焼ヒーター(図示せず)により間接的に加熱することができる。好ましい1態様では、燃料電池105の運転開始に使用される酸素含有ガス流を燃料電池105のカソード171に供給する前に熱交換器185で触媒部分酸化改質反応からの高温水素含有ガス流との熱交換により加熱することができる。]
[0106] 燃料電池105の運転が開始したら、燃料電池105の1個以上のアノード電極で水素ガス流をイオン酸素酸化剤と混合し、発電することができる。イオン酸素酸化剤は燃料電池105のカソード171を流れる酸素含有ガス流中の酸素に由来し、燃料電池の電解質235を横断するように移送される。燃料電池を750℃〜1100℃の温度で運転しながら選択された独立した速度で水素ガス流と酸素含有ガス流を燃料電池105に供給することにより、アノード121において燃料電池105の1個以上のアノード電極で燃料電池105のアノード121に供給される水素ガス流と酸化剤を混合する。]
[0107] 水素ガス流と酸化剤を燃料電池105の1個以上のアノード電極で混合し、少なくとも0.4W/cm2、より好ましくは少なくとも0.5W/cm2、又は少なくとも0.75W/cm2、又は少なくとも1W/cm2、又は少なくとも1.25W/cm2、又は少なくとも1.5W/cm2の電力密度で発電することが好ましい。水素ガス流を燃料電池105のアノード121に供給する速度と酸素含有ガス流を燃料電池105のカソード171に供給する速度を選択及び制御することにより、このような電力密度で発電することができる。燃料電池105のカソード171への酸素含有ガス流の流速は酸素ガス入口弁259を調節することにより選択及び制御することができる。]
[0108] 上記のように、燃料電池105のアノード121への水素ガス流の流速は、原料を改質反応器103に供給する速度を選択及び制御することにより選択及び制御することができ、この速度は原料前駆体を予備改質反応器101に供給する速度により選択及び制御することができ、原料前駆体入口弁137を調節することにより選択及び制御することができる。あるいは、上記のように、定量弁149及び151を連携制御することにより、水素ガス流を燃料電池105のアノード121に供給する速度を選択及び制御することができる。1態様では、アノード121への水素ガス流の選択された流速を維持するようにフィードバック機構により定量弁149及び151を自動調節することができ、フィードバック機構はアノード排気流中の水素含量、又はアノード排気流中の水分含量、又は燃料電池で形成された水分とアノード排気流中の水素の比の測定に基づいて動作することができる。]
[0109] 本発明の方法では、1個以上のアノード電極で水素ガス流と酸化剤を混合し、燃料電池105に供給される水素ガス流中に存在する水素の一部を酸化剤で酸化することにより(水蒸気としての)水分を生成する。水素を酸化剤で酸化することにより生成された水分を水素ガス流の未反応部分により燃料電池105のアノード121から押出し、アノード121からアノード排気流の一部として排出する。]
[0110] 本発明の方法の1態様では、単位時間当たりに燃料電池105で形成される水分量と単位時間当たりのアノード排気中の水素量の比が最大で1.0、又は最大で0.75、又は最大で0.67、又は最大で0.43、又は最大で0.25、又は最大で0.11となるように、水素ガス流をアノード121に供給する流速を選択及び制御することができる。1態様では、単位時間当たりに燃料電池で形成される水分量と単位時間当たりのアノード排気中の水素量の比を単位時間当たりのモルで表した場合に最大で1.0、又は最大で0.75、又は最大で0.67、又は最大で0.43、又は最大で0.25、又は最大で0.11となるように、燃料電池105で形成される水分量と、アノード排気中の水素量をモルで測定することができる。1態様では、燃料電池105の1パス当たり水素利用率が50%未満、又は最大で45%、又は最大で40%、又は最大で30%、又は最大で20%、又は最大で10%となるように、水素ガス流をアノード121に供給する流速を選択及び制御することができる。]
[0111] 本発明の方法の別の態様では、アノード排気流が少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9モル分率の水素を含有するように、水素ガス流をアノード121に供給する流速を選択及び制御することができる。別の態様では、アノード排気流がアノード121に供給される水素ガス流中に50%超、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%の水素を含有するように、水素ガス流をアノード121に供給する流速を選択及び制御することができる。]
[0112] 固体酸化物型燃料電池105のカソード171に提供される酸素含有ガス流の流速は1個以上のアノード電極で水素ガス流からの燃料と混合した場合に少なくとも0.4W/cm2、又は少なくとも0.5W/cm2、又は少なくとも0.75W/cm2、又は少なくとも1W/cm2、又は少なくとも1.25W/cm2、又は少なくとも1.5W/cm2の電力密度で発電するために十分な酸化剤をアノードに提供するように選択すべきである。上記のように、カソード171への酸素含有ガス流の流速は酸素ガス入口弁259を調節することにより選択及び制御することができる。]
[0113] 本発明の方法では方法により生成される単位電力当たり比較的少量の二酸化炭素しか生成されない。予備改質反応器101と改質反応器103を燃料電池105と熱統合し、燃料電池105で生成される熱を燃料電池105からのアノード排気流として予備改質反応器101内に直接移送した後に、予備改質反応器101からの原料として改質反応器103内に移送することにより、吸熱性の予備改質反応と改質反応を推進するために提供する必要のある付加エネルギーが減り、好ましくは不要になり、例えば燃焼によりこのようなエネルギーを提供する必要性が減り、従って、改質反応を推進するためにエネルギーを提供する際に生成される二酸化炭素の量が減る。更に、アノード排気流をシステム100に再循環させ、第1の水素リッチなガス流を改質ガス生成物から分離した後に第1のガス流を燃料電池105に供給することにより第1の水素リッチなガス流を燃料電池105に提供する結果、改質反応器301により生成する必要のある水素量が減り、方法の電気効率が増し、従って、付随する二酸化炭素副生物生成が減る。]
[0114] 本発明の方法では、発電量キロワット時当たり400グラム(400g/kWh)以下の割合で二酸化炭素が生成される。好ましい1態様において、本発明の方法では350g/kWh以下の割合で二酸化炭素が生成され、より好ましい1態様において、本発明の方法では300g/kWh以下の割合で二酸化炭素が生成される。]
[0115] 別の態様では、本発明の方法は熱統合水蒸気改質器と、水蒸気改質器の外側に配置された水素分離装置と、固体酸化物型燃料電池を含むシステムを利用する。以下、図2を参照すると、この態様の方法を実施するためのシステム200は図1に示すシステム100と同様であり、システムコンポーネントは改質反応器303と、水素分離装置301及びそのコンポーネントと、水素分離装置301をシステム200に接続する所定の配管を除き、一般に同一番号で示す。水素分離装置301は改質反応器303内に配置されず、改質反応器303で形成された水素と炭素酸化物を含有する改質生成物ガスと、未反応の炭化水素と水蒸気を配管305から水素分離装置301に送るように、改質反応器303と作動的に連結されている。1態様において、水素分離装置301は高温水素分離装置であり、好ましくは上記のような管状水素透過性膜装置である。別の態様において、水素分離装置301は150℃未満、又は100℃未満の温度で運転する水素分離装置(例えば圧力変動吸着装置)とすることができる。] 図1 図2
[0116] 水素を含有する水素ガス流を水素分離装置301により改質生成物ガスと、未反応の水蒸気と炭化水素からから分離することができる。1態様において、水素分離装置301は改質反応器303の動作温度又はその付近で水素ガス流を改質生成物ガス、水蒸気及び未反応炭化水素から分離した後、水素ガス流を直接又は熱交換器115を介して燃料電池105のアノード121に供給することができる管状水素透過性水素選択的膜装置である。水素ガス流は配管209を通して冷却せずに水素分離装置301から直接アノード121に供給してもよい。あるいは、水素ガス流を配管307から熱交換器115に送ることによりアノード121に供給する前に水素ガス流を熱交換器115で冷却してもよく、熱交換器115への水素ガス流の流量を制御するためには弁309を使用することができる。]
[0117] 1態様では、水素ガス流の分離を助長するために水蒸気スイープガスを配管311から管状水素透過性水素選択的膜装置301に注入することができる。この態様では、水素ガス流と水蒸気スイープガスを管状水素透過性水素選択的膜301から熱交換器115に供給した後にコンデンサ(図示せず)に供給し、水蒸気スイープガスを水素ガス流から分離した後に、水素ガス流を上記のように固体酸化物型燃料電池105のアノード121に供給することができる。]
[0118] 別の態様において、水素分離装置301は圧力変動吸着装置とすることができる。この態様では、改質反応器303と水素分離装置301の間に作動的に接続され、配管305により相互に接続された1個以上の熱交換器(図示せず)を使用し、改質生成物ガスと水蒸気と未反応原料の混合物中の他の化合物から水素ガス流を分離するために圧力変動吸着装置を利用可能な温度、一般には150℃未満、又は100℃未満、又は75℃未満の温度まで改質生成物ガスと水蒸気と未反応原料を冷却することができる。]
[0119] 水素以外のガス状改質生成物と未反応原料を水素分離装置301から配管313によりガス流として分離することができる。水素以外の改質生成物と未反応原料としては、二酸化炭素と、(水蒸気としての)水分と、少量の一酸化炭素及び未反応炭化水素が挙げられる。水素以外の改質生成物と未反応原料は配管187を通って夫々燃料電池105のカソード171に供給される酸素含有ガス又は原料前駆体を冷却及び加熱するために熱交換器185又は熱交換器115に供給することができる。熱交換器185及び/又は熱交換器115への水素以外の改質生成物と未反応原料の流量を制御するためには弁195及び315を使用することができる。]
[0120] 改質反応器303の外側に配置した水素分離装置301を利用する方法のその他の部分は上記のように固体酸化物型燃料電池105と水素分離膜107を内蔵する改質反応器103について上述した方法とほぼ同様に実施することができる。]
[0121] 別の側面において、本発明は発電システムに関する。以下、図3を参照すると、システム400は予備改質反応器401と、改質反応器403と、固体酸化物型燃料電池405と、水素分離装置407を含む。] 図3
[0122] システム400の固体酸化物型燃料電池405はアノード入口411とアノード排気出口413をもつアノード409と、カソード入口417とカソード排気出口419をもつカソード415と、アノード409とカソード415の間に接触分離するように配置された電解質421とを含む。本発明のシステムで有用な固体酸化物型燃料電池と、そのアノード、カソード及び電解質については上記に詳述した通りである。]
[0123] 予備改質反応器401は予備改質領域423と、1個以上の予備改質反応器原料前駆体入口425と、1個以上の予備改質反応器アノード排気入口427と、1個以上の予備改質反応器出口429を含む。予備改質反応器401の予備改質領域423は原料前駆体の1種以上の炭化水素を分解して原料を形成するように構成されており、原料中の分解された水素は原料前駆体源である炭化水素よりも分子量が低く、炭素原子数が少ない。予備改質領域423は予備改質領域423で水蒸気と1種以上の炭化水素の気化混合物と接触するように配置された分解触媒431を収容している。分解触媒431は上記に詳述したような予備改質触媒とすることができる。1個以上の予備改質原料前駆体入口425は、液体又はガス状原料前駆体を予備改質反応器原料前駆体入口425から予備改質反応器401の予備改質領域423に導入できるように、予備改質反応器401の予備改質領域423と気体/流体連通状態で連結されている。1個以上の予備改質反応器アノード排気入口427は、アノード排気出口413を通って燃料電池405から排出されるアノード排気流を1個以上の予備改質反応器アノード排気入口427から予備改質反応器401の予備改質領域423に導入できるように、予備改質反応器401の予備改質領域423と気体連通状態で連結されており、燃料電池405のアノード排気出口413と気体連通状態で作動的に連結されている。1態様において、アノード排気出口413は1個以上の予備改質反応器アノード排気入口427と気体連通状態で直接連結されている。1個以上の予備改質反応器出口429は予備改質反応器401の予備改質領域423と気体連通状態にある。]
[0124] システム400の改質反応器403は改質領域433と1個以上の改質領域入口435を含む。改質反応器403の改質領域433は水蒸気と1種以上の炭化水素を含有する原料の気化混合物を改質し、水素を含有する改質生成物ガスを形成するように構成されている。改質領域433は改質領域433で水蒸気と1種以上の炭化水素を含有する原料の気化混合物と接触するように配置された改質触媒437を収容している。改質触媒は上記に詳述したような改質触媒とすることができる。1個以上の改質領域入口435は予備改質反応器401からの原料と水蒸気を改質領域入口435から改質反応器403の改質領域433に導入できるように、改質領域433と気体連通状態で連結され、1個以上の予備改質反応器出口429と気体連通状態で作動的に連結されている。]
[0125] システム400の水素分離装置407は選択的に水素透過性のメンバー439と水素ガス出口441を含む。水素分離装置407の水素透過性メンバー439は水素透過性メンバー439が改質反応器403の改質領域433で気化ガスと接触できるように、改質反応器403の改質領域433と気体連通状態で改質反応器403の改質領域433に配置することができる。水素ガス出口441は水素透過性メンバー439と気体連通状態で連結され、水素透過性メンバー439は改質領域433から水素透過性メンバー439を通って水素ガス出口441に至る水素の選択的な流れを可能にするように、改質反応器403の改質領域433と水素ガス出口441の間に挿入される。水素ガス出口は更に、水素分離装置407から燃料電池405のアノード409への水素ガス流の流れを可能にするように、燃料電池405のアノード入口411と気体連通状態で作動的に連結されている。]
[0126] 1態様において、システム400は第1の熱交換器443を含むことができる。第1の熱交換器は、第1の熱交換器が予備改質反応器401から改質反応器403に移動する原料を冷却するように、予備改質反応器401の1個以上の予備改質反応器出口429と気体連通状態で作動的に連結することができ、改質反応器403の1個以上の改質領域入口435と気体連通状態で作動的に連結することができる。]
[0127] 1態様において、システム400はコンプレッサ445を含むことができる。コンプレッサ445は、コンプレッサ445が予備改質反応器401から改質反応器403に移動する原料を圧縮できるように、予備改質反応器401の1個以上の予備改質反応器出口429と気体連通状態で作動的に連結することができ、改質反応器403の1個以上の改質領域入口435と気体連通状態で作動的に連結することができる。1態様において、コンプレッサ445は、原料が予備改質反応器401から改質反応器403に移動するにつれてコンプレッサ445が第1の熱交換器443により冷却された原料を圧縮できるように、第1の熱交換器443と改質反応器403の改質領域入口435に気体連通状態で連結することができる。]
[0128] 1態様において、システム400は第2の熱交換器447を含むことができる。第2の熱交換器447は、第2の熱交換器447が水素分離装置447から燃料電池405のアノード409に移動する水素ガス流を冷却できるように、水素分離装置407の水素ガス出口441と作動的に接続することができ、燃料電池405のアノード409のアノード入口411と作動的に接続することができる。]
[0129] 1態様において、システム400はコンデンサ449を含むことができる。コンデンサ449は、水素分離装置407から水素を押出すために水蒸気スイープガスを利用する場合にコンデンサ449が水素分離装置407から燃料電池405のアノード409に移動する水素ガス流から水分を凝縮させることができるように、水素分離装置407の水素ガス出口441と作動的に接続することができ、燃料電池405のアノード409のアノード入口411と作動的に接続することができる。1態様において、第2の熱交換器447は、先ず水素分離装置407から燃料電池405のアノード409に移動する水素ガス流を第2の熱交換器447で冷却した後に、コンデンサ449で水素ガス流から水分を凝縮させるように、水素分離装置407の水素ガス出口441と作動的に接続することができ、コンデンサ449と作動的に接続することがてき、コンデンサ449は燃料電池405のアノード409のアノード入口411と作動的に接続する。]
[0130] 1態様において、システム400は触媒部分酸化反応器451を含むことができる。触媒部分酸化反応器は燃料電池405のアノード409のアノード入口411と作動的に接続することができ、触媒部分酸化反応器は始動水素ガス流を燃料電池405のアノード409に提供し、燃料電池405の運転を開始するために有効である。]
[0131] 図4に示すような別の態様において、システム500は水素分離装置507が改質反応器503の外側に配置され、改質反応器503の改質領域533と気体連通状態で作動的に連結されている点を除き、システム400について上述したように、予備改質反応器501と、改質反応器503と、固体酸化物型燃料電池505と、水素分離装置507を含む。水素透過性水素選択的メンバー539は、改質領域533で生成された改質ガス生成物が改質領域533からメンバー539に移動し、メンバー539により改質生成物ガスから水素を分離できるように、改質反応器503の改質領域533と気体連通状態で作動的に連結されている。] 図4
[0132] 1態様において、メンバー539は上記のような高温水素透過性水素選択的膜とすることができる。別の態様において、メンバー539は圧力変動吸着器とすることができる。1態様において、特にメンバー539が圧力変動吸着器である場合には、水素をメンバー539で改質生成物ガスから分離する前に改質生成物ガスを冷却するために、改質反応器503の改質領域533とメンバー539の間に1個以上の熱交換器553を気体連通状態で連通することができる。]
[0133] 水素分離装置507の水素ガス出口541は水素分離装置507の選択的水素透過性メンバー539と気体連通状態に配置される。選択的水素透過性メンバー539は改質領域533から水素透過性メンバー539を通り、水素ガス出口541を通って水素分離装置507から排出される水素の選択的流れを可能にするように、改質反応器503の改質領域533と水素ガス出口541の間に挿入される。]
[0134] 水素ガス出口541は、改質反応器503で生成され、水素分離装置507により改質生成物ガスから分離された水素を燃料電池505のアノード509に供給できるように、燃料電池505のアノード入口511と気体連通状態で作動的に連結されている。水素分離装置407を改質反応器403に内蔵するシステム400について上述したように、水素ガス流が燃料電池505のアノード509に入る前に水素ガス出口541から排出される水素ガス流を冷却し、水素ガス流から水分を凝縮させるように、1個以上の熱交換器547とコンデンサ549を水素ガス出口541とアノード入口511の間に気体連通状態で作動的に連結することができる。]
[0135] 更に、図3に示すシステム400について上述したように、図4に示すシステム500は予備改質反応器501と改質反応器403の間に作動的に接続された熱交換器543とコンプレッサ545を含むことができ、燃料電池505の運転を開始するための触媒部分酸化反応器551を燃料電池505のアノード入口511と作動的に接続することができる。] 図3 図4
[0136] 1態様において、本発明のシステムは図1に示し、本発明の方法の記載で上述したようなシステムとすることができる。] 図1
[0137] 1態様において、本発明のシステムは図2に示し、本発明の方法の記載で上述したようなシステムとすることができる。] 図2
先行技術

[0138] 米国特許出願公開第2005/0164051号
米国特許出願公開第2007/0017369号
米国特許第6,152,987号]
权利要求:

請求項1
第1の反応ゾーンにおいて、水蒸気と原料前駆体と固体酸化物型燃料電池からのアノード排気流との混合物を少なくとも600℃の温度で第1の触媒と接触させ、1種以上のガス状炭化水素及び水蒸気を含有する原料を生成する段階(但し、原料前駆体は大気圧下に20℃で液体であり、大気圧下に400℃までの温度で気化可能である気化性炭化水素を含有しており、アノード排気流は水素及び水蒸気を含有しており、少なくとも800℃の温度である)と;第2の反応ゾーンにおいて、原料及び場合により付加水蒸気を少なくとも400℃の温度で第2の触媒と接触させ、水素及び少なくとも1種の炭素酸化物を含有する改質生成物ガスを生成する段階と;少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、又は少なくとも0.95モル分率の水素を含有する水素ガス流を改質生成物ガスから分離する段階と;水素ガス流を固体酸化物型燃料電池のアノードに供給する段階と;固体酸化物型燃料電池のアノードの1個以上のアノード電極において水素ガス流を酸化剤と混合し、少なくとも0.4W/cm2の電力密度で発電する段階と;水素及び水分を含有するアノード排気流を固体酸化物型燃料電池のアノードから分離する段階と;を含む発電方法。
請求項2
アノード排気流が第1の反応ゾーンで第1の触媒と接触している水蒸気と原料前駆体とアノード排気流との混合物から原料を生成するために必要な熱の実質的に全部を提供するように選択された速度でアノード排気流と原料前駆体と水蒸気とを第1の反応ゾーンに供給する段階を更に含む請求項1に記載の方法。
請求項3
アノード排気流が原料前駆体を分解するために十分な熱を提供するように、原料前駆体と水蒸気とアノード排気流とを第1の反応ゾーンに供給する速度を選択する請求項2に記載の方法。
請求項4
原料前駆体が少なくとも0.5、又は少なくとも0.6モル分率の、炭素原子数が少なくとも5の炭化水素を含有しており、原料の炭化水素部分が少なくとも0.5、又は少なくとも0.6、又は少なくとも0.7モル分率の、炭素原子数が最大で3の炭化水素を含有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
請求項5
原料を第1の反応ゾーンから第2の反応ゾーンに供給する段階を更に含み、原料が第2の反応ゾーンで第2の触媒及び場合により水蒸気と接触したときに改質生成物ガスを生成するために十分な熱を含むように、原料前駆体と水蒸気とアノード排気流とを第1の反応ゾーンに供給する速度と、原料を第2の反応ゾーンに供給する速度とを選択する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
請求項6
アノード排気流が少なくとも0.6、又は少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9モル分率の水素を含有するように選択された速度で水素ガス流をアノードに供給する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
請求項7
燃料電池で形成される水分量とアノード排気中の水素量との比が最大で1.0、又は最大で0.75、又は最大で0.67、又は最大で0.43、又は最大で0.25、又は最大で0.11となるように選択された速度で水素ガス流をアノードに供給する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
請求項8
燃料電池における1パス当たり水素利用率が50%未満、又は最大で40%、又は最大で30%、又は最大で20%、又は最大で10%となるように選択された速度で水素ガス流をアノードに供給する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
請求項9
(a)少なくとも0.9、又は少なくとも0.95、又は少なくとも0.98モル分率の二酸化炭素を含有しており、少なくとも2MPaの圧力の二酸化炭素ガス流を改質生成物ガスから分離する段階と;(b)二酸化炭素ガス流をタービンで膨張させる段階と;を更に含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
請求項10
二酸化炭素ガス流をタービンで膨張させることにより生成されたエネルギーで発電する段階を更に含む請求項9に記載の方法。
請求項11
二酸化炭素ガス流をタービンで膨張させることにより生成されたエネルギーで1個以上のガス流を圧縮する段階を更に含む請求項9に記載の方法。
請求項12
原料前駆体が大気圧下に50〜205℃の沸点範囲をもつ軽質石油混合物から選択される請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13
原料及び場合により付加水蒸気を第2の反応ゾーンで第2の触媒と接触させる温度の100℃以内の温度で水素ガス流を改質生成物ガスから分離する請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項14
触媒部分酸化反応器から固体酸化物型燃料電池のアノードに開始ガス流を供給することにより固体酸化物型燃料電池の温度を少なくとも800℃まで上昇させ、原料前駆体を原料として触媒部分酸化反応器に供給する請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
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优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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